フラクタルという言葉って知ってましたか??僕は最近になって知りました。
名古屋の子ども科学館に数学コーナーがあって、それ以来、フラクタルに興味深々です(笑)
自然界には潜む不思議な世界をご紹介いたします。
はじめに
まずは、フラクタルって何なん??という人のために、
フラクタルとはブノア・マンデルブローが導入した幾何学の概念で、自然界に現れる不思議な現象。複雑な形状を同じパターンの図形で表す数学的概念。ある一部と全体が自己相似になっているもの。細部を拡大しても全体と似る複雑な図(自己相似性)。
自己相似性だけがフラクタルという意味ではありませんが、まずはこの程度で。
有名なフラクタル図形
①シャルピンスキーのギャスケット
シェルピンスキーのギャスケット. 出典: Wikipedia
シェルピンスキーのギャスケット(Sierpinski gasket)は、自己相似性を持つ有名なフラクタル図形の一つです。
数学者のワツワフ・シェルピンスキー(Wacław Sierpiński)にちなんで名付けられました。
作り方(ルールの手順) 三角形からスタートして、同じ操作を無限に繰り返すことで作り出されます!!
基本の形(ステップ0):塗りつぶされた正三角形を用意します。1回目の操作(ステップ1):三角形の各辺の中点を結び、中央にできる逆向きの小さな正三角形をくりぬきます(白くする)。これで、まわりに3つの小さな正三角形が残ります。2回目の操作(ステップ2):残った3つの小さな正三角形それぞれに対して、同じように中央をくりぬきます。
繰り返し:このくりぬき作業を無限に繰り返すと、シェルピンスキーのギャスケットが完成します。
面白い性質3点
全体をいくつかの部分に分けたとき、その一つひとつが全体を縮小した形と全く同じになっています。
マトリョーシカに見る入れ子構造と自己相似のイメージ. 出典: iStock
毎回真ん中をくりぬいていくため、ステップが進むごとに全体の面積は減っていき、無限に繰り返すと図形の面積は最終的にゼロになります。
シェルピンスキーのギャスケット. 出典: Wikipedia
面積が0になる証明
最初の正三角形の面積を 「1」 と置いて考えてみましょう。
1回目の操作(ステップ1)
中央の逆向きの三角形を1つくりぬきます。これにより、全体の面積のうち4分の1が消え、残るのは元の 3/4 の面積になります。残った面積
$$1 \times \frac{3}{4} = \frac{3}{4}$$
2回目の操作(ステップ2)
残った3つの小さな正三角形のそれぞれについて、さらに中央を4分の1ずつくりぬきます。つまり、前のステップで残った面積(3/4)のさらに 3/4 が残ることになります。残った面積$$\frac{3}{4} \times \frac{3}{4} = \left(\frac{3}{4}\right)^2$$
n回目の操作(ステップ n)
この操作を n 回繰り返したあとの面積は、元の面積に 3/4 を n 回かけたものになります。面積 S_nは以下の式で表されます。$$S_n = \left(\frac{3}{4}\right)^n$$
無限に繰り返す(極限)
操作を無限に繰り返す(n を無限大にする)ため、数学的な「極限」を考えます。1より小さい数を何度も何度もかけ続けると、値はどんどん小さくなり、やがて 0 に限りなく近づきます。$$\lim_{n \to \infty} \left(\frac{3}{4}\right)^n = 0$$結論このように、操作を無限に続けると面積を表す数式は 0 に収束するため、「シェルピンスキーのギャスケットの面積はゼロになる」と証明できます。
面積がゼロになる一方で、周囲の長さは操作を繰り返すたびに増えていき、最終的には無限大になります。
周囲の長さが∞になる証明
最初の正三角形の1辺の長さを 「1」 とし、外周の長さを基準の 「3」として考えてみましょう。
1回目の操作(ステップ1)
中央の三角形をくりぬくと、1辺の長さは半分1/2の小さな三角形が 3つ 残ります。これにより、すべての辺を合わせた全体の長さは、元の長さの 3/2 倍になります。総辺の長さ:$$3 \times \frac{3}{2} = \frac{9}{2}$$
2回目の操作(ステップ2)
残った3つの三角形それぞれがさらに3つに分かれるため、総辺の長さはさらに 3/2 倍になります。総辺の長さ:$$\frac{9}{2} \times \frac{3}{2} = 3 \times \left(\frac{3}{2}\right)^2$$
n回目の操作(ステップ n)
この操作を n回繰り返したあとの総辺の長さ L_nは、以下の式で表されます。$$L_n = 3 \times \left(\frac{3}{2}\right)^n$$
無限に繰り返す(極限)
操作を無限に繰り返すとどうなるか考えます。3/2という1より大きい数を何度も何度もかけ続けると、値はどんどん膨らんでいき、最終的に 無限大∞に発散します。$$\lim_{n \to \infty} 3 \times \left(\frac{3}{2}\right)^n = \infty$$
面積はどんどん小さくなって「0」になるのに対し、中の線の総延長は逆にどんどん増えていって「∞」になる。
これが、シェルピンスキーのギャスケットが持つ非常に神秘的で面白い特徴(パラドックス)です!
パスカルの三角形
パスカルの三角形. 出典: TPT
パスカルの三角形は図のように足し算をしていくなんですが、面白い規則が凄く隠されています。
パスカルの三角形とフラクタルのつながりの美しい東大の入試問題!!
2015年 東京大学・理系数学(第5問)
【問題】
mを 2015以下の正の整数とする。
$$_{2015}\mathrm{C}_m$$ (2015個から m 個を選ぶ組合せの数)が偶数となる最小の mを求めよ。
. 出典: The Aperiodical
🔍 この問題の面白いポイントと背景
「2015年」だからこその数字
西暦である「2015」という数字にちなんだ設定になっています。
パスカルの三角形・フラクタルとの深い関係
パスカルの三角形を2で割った余り(偶奇)の仕組みが、そのままこの問題の核心になっています。
$$_{n}\mathrm{C}_m$$
が偶数になるかどうかは、数式を階乗のまま見るのではなく、「2進法(ビット表現)」で考えると一瞬で解けてしまうという、数学好きにはたまらない美しさを持っています。
②バーンスレイのシダ
バーンスレイのシダ. 出典: Wikipedia
一見すると本物のシダの写真をイラスト化したように見えますが、実は写真ではなく、すべて「数式」だけで描き出されたフラクタル図形です!
バーンスレイのシダとは?(わかりやすく解説)
イギリスの数学者マイケル・バーンスレイ(Michael Barnsley)が考案したもので、「自然界の複雑な形も、単純なルールの繰り返しで完全に再現できる」ことを示した有名なフラクタルです。
画面上に「1つの点」を置き、次の4つのルール(計算式)のどれかをランダム(確率的)に選んで、点を次々に動かしていくというシンプルな操作を何万回も繰り返します。
ルールA(茎を作る): 点を縮小して、まっすぐ上に持ち上げる。
ルールB(右側の葉を作る): 点を縮小・回転させて、右上の葉の位置に飛ばす。
ルールC(左側の葉を作る): 点を縮小・回転させて、左上の葉の位置に飛ばす。
ルールD(葉っぱの茎の根元): 点をほぼ潰して、一番下の茎の部分に集める。
最初はただの「ぽつんとした点」だったものが、この計算を何千回、何万回と繰り返すうちに、勝手にインクがにじむように
シダの葉の形が浮かび上がってきます。
全体の大きな葉の中に、少し縮小された「全く同じ形の小さな葉」が無数に含まれている(自己相似性)。
自然界の本物のシダが持つ構造を、数学的な数式(確率的IFS:反復関数系)だけで完璧に真似できるという、数学の神秘とコンピュータグラフィックスの原点が詰まったロマンあふれる図形です!
③コッホ曲線
コッホ曲線を作った(発表した)のは、スウェーデンの数学者であるヘルゲ・フォン・コッホ(Helge von Koch)という人物です!
彼は 1904年 に発表した論文の中で、この不思議な図形を紹介しました。
🧠 コッホがこれを考えた「驚きの理由」
実は、コッホがこの曲線を作ったのには、当時の数学界の「常識」をひっくり返すという大きな目的がありました。
当時の数学では、「途切れなくつながっている線(連続な曲線)なら、どこを拡大しても、必ずなめらかな接線(タンジェント)が引けるはずだ」と信じられていました。
しかしコッホは、
「どこを拡大してもずっとギザギザしていて、なめらかなところが1箇所もない(=どこを取っても微分ができない)」
それなのに「線としてはずっと一本につながっている」
そんな一見矛盾するような「ありえない曲線」を数式と幾何学で証明したくて、このコッホ曲線を考案しました。
「こんな変な図形、本当にありえるのか!?」と、当時の数学者たちを大いに驚かせた、歴史的にとても価値のあるフラクタル図形なんです!
このような図形をフラクタル図形と呼ばれています。
まとめ
自然界のフラクタル
雪の結晶
雷
雲
海岸(リアス式)
シダ植物
ブロッコリー
人間の肺
雪の結晶に見るフラクタル. 出典: Business Insider
雷(稲妻)の放電ルートに見るフラクタル. 出典: Unsplash
人間の肺(気管支・血管)の分岐構造. 出典: Wikipedia
人間の血管の分岐構造や腸の内壁などもフラクタル構造になってます。フラクタルになることで表面積を大きくでき、酸素の供給などが効率的になっているんです。
自然界や生物における謎に迫っているようで、ワクワクしてきます。
最近フラクタルに興味あって、原子の配置図と太陽系って似てるよな??ってふと疑問に思っていました。
-Wikipedia DePiep より
毛利さんの言葉!
顕微鏡で覗いていた細部の表面と、ふと見上げた地球の表面。ミクロン単位と数千キロメートル単位で全然違っているのだが両者はつながっている。それぞれが息づき、生命のなにかを発している。そんなことを直観した。
凄く納得!!実際に肌で宇宙を感じたことのある人の言葉は重い。