\((2)\Large{\frac{7}{35}=}\)
\((3)\Large{\frac{141}{611}=}\)
\((4)\Large{\frac{391}{437}=}\)
\((5)\Large{\frac{5609}{7739}=}\)
※後ほど解答しています。
(1)、(2)のような九九程度の約分は、2・3・5の倍数を考えれば大丈夫。
(3)、(4)、(5)のような場合、約分は一気に難しくなります。確率など記述式の問題で、折角解けているのに
ということになりかねません。
ここでは、どんな場合も次の手順どおりにすれば効率的に約分できるか見極める方法を紹介します。
(5)は数学検定1級レベルの問題です。
① 2・3・5 の倍数の性質
② 素因数分解
③ ユークリッドの互除法
2・3・5 の倍数の性質 ★★★
いきなりですが、
(問題)次の数字は3の倍数か??
\(\Large{11112}\)
この問題がわからない人は、約分を忘れてしまう可能性が高いです。
2,3,5 の倍数には次のような性質があります。
- 2の倍数 ・・・・ 偶数
- 5の倍数 ・・・・ 下一桁が0,5
- 3の倍数 ・・・・ 各桁の和が3の倍数
2の倍数と5の倍数の性質は当たり前ですが、3の倍数の性質を利用している人が少ないと感じています。
1 + 1 + 1 + 1 + 2 = 6 ・・・3の倍数
また、各桁の和が3の倍数でないなら、3の倍数ではないです。
なんで?? となっている人に簡単に
①3桁の自然数は 100×a + 10×b + c である。
②3桁の自然数の各桁の和はa + b + c であり、定義より3の倍数である。
つまり、a + b + c = 3 × k ということ。・・(kは不定)
①②より
100a + 10b + c
= 99a + 9b + ( a + b + c )
= 3 × ( 33a + 3b ) + 3 × k
= 3 × ( 33a + 3b + k )
よって 3桁の自然数は3の倍数である。
※ちなみに何桁でも同様にすれば、証明可能です。( ⇐ )も可能です。
これで、(1)・(2)は間違うことはなくなります。(3)は後ほど出てきます。
(1)\(\frac{6}{21}=\frac{2×3}{7×3}=\frac{2}{7}\)
(2)\(\frac{7}{35}=\frac{7}{5×7}=\frac{1}{5}\)
(3)\(\frac{141}{611}=\frac{3×47}{13×47}=\frac{3}{13}\)
素因数分解
素因数分解と言うと、難しそう。。と感じるかもしれませんが、
単純に数字を、素数と因数に分解することです。
つまり、素因数分解とは簡単に
(素数) × (素数) という形に分解することです。
素因数分解と2,3,5の倍数と7の倍数で約分はほぼいけます!!
そのことを説明していきます。
2から100までの数字
まず2から100までの数字を2つに分ける。
①2,3,5,7の倍数の数・・・・・・・77個
②素数の数(2,3,5以外)・・・・・22個
1から100までの数字において、素数を見つけるには
- 2,3,5の倍数を考えれば、ほぼ終わり!
- 7の倍数を考える
- 違うなら、素数!!
この手順で、100まで素因数分解の有無がわかります。
なぜ、素因数分解をするように言っているのか??
(問題)次の分数は約分できますか??
(1)\(\frac{29}{87}\)
(2)\(\frac{222}{455}\)
(1)\(\frac{29}{87}=\frac{29}{3×29}=\frac{1}{3}\)
(2)\(\frac{222}{455}=\frac{2×3×37}{5×7×13}\)
素因数分解すれば、簡単になることが多々ある!!ってことなんです。
これで、ほとんどの約分ができます!
①141が3の倍数なので素因数分解できます。
\(\frac{141}{611}=\frac{3×47}{611}\)
② 47 は素数であり、3と47で約分できるか確認。611 は 3の倍数ではないので47で考える。
\(\frac{3×47}{611}=\frac{3×47}{13×47}=\frac{3}{13}\)
しかし、少しやっかいな問題。はじめの(4)。
問題 約分できますか??
\((4)\frac{391}{437}\)
391も437も2,3,5の倍数ではないので、結構大変。。
こうなれば素数かどうかを判断しないといけません。そこで、2つの数字のうち小さい数字を選びます。
そして、ここでは391。
437を17と23で割れるか確認。437=19×23と分解できます。
よって
\((1)\frac{391}{437}=\frac{17×23}{19×23}=\frac{17}{19}\)
ここまでで3桁までの約分であれば、少し手間がかかることがありますが、問題なくできることが分かったと思います。この知識があれば、約分で困ることはありません。
次から難易度が上がります。中学受験の問題や数学検定などにも出題されます。
ユークリッドの互除法
この問題を初見で解ける人は、数学的センスと計算力はかなり高いと思います。素数かどうかの判断は、その人の直感力によります。(因みに私は、この数字を見て、素数かどうか判断できないです・・ラマヌジャンやオイラーなどは一瞬で解きそう(笑))
直感力に頼れなければ、どうすればいいのか??
紀元前3世紀頃、今から2000年以上も昔、アレクサンドリアのユークリッドという数学者が残した「原論」という書籍の中に、2つの数の最大公約数をみつける「ユークリッドの互除法」という方法が記されています。
2つの数の最大公約数をみつけることが出来れば、約分することが可能です。
まずは、27と15の最大公約数をユークリッドの互除法を使って求めてみます。
- ①27÷15=1余り12
- ②15÷12=1余り3
- ③12÷3=4余り0
ユークリッドの互除法を使うと、いつかは必ず割り切れます。
そして、その時に割った数が最大公約数になります。この場合、最後に割った数は、3なので、最大公約数は3となります。
最後にこの問題を求めてみます。
\(\frac{5609}{7739}=\)
ユークリッドの互除法を使うと、
- 7739÷5609=1余り2130
- 5609÷2130=2余り1349
- 2130÷1349=1余り781
- 1349÷781=1余り568
- 781÷568=1余り213
- 568÷213=2余り142
- 213÷142=1余り71
- 142÷71=2余り0
ゴール!!
5609と7739の最大公約数が71とわかりました!!(思ったよりながい(笑))
\(\frac{5609}{7739}=\frac{71×79}{71×109}=\frac{79}{109}\)
となります。
先人の知恵は本当にすごいです。
まとめ
いかがでしたか?
この内容を簡単にまとめると、
- 3の倍数を考える
- 素因数分解
- 最終手段 ユークリッドの互除法
で約分できるかどうか判断可能です。
読みづらい所もあったと思いますが、長い文章に付き合っていただきありがとうございました。