「単チェで大当たりする確率25%」
「南海トラフ地震が30年以内に発生する確率は70%」
などなど普段生活している中で、当たり前のように確率を使っています。
現在では、データを分析する「統計」と一緒に研究されて、至るところで利用されています。
確率というのは、いつから考えられてきたのだろうか??
イタリアのギャンブラー
9と10どっちが多い
17世紀イタリアのギャンブラー達が、ある酒場で頭を悩ませている。
「3つのサイコロの目の合計が9になる場合と10になる場合を比べると、どちらが多いか。」
という問題だ。
同じ6通りなので、確率は同じになりそうだが、ある数字のほうが多く出てしまう。
どちらの数字が多く出るか??
①9
②10
解説
このギャンブラー達は「順列」と「組み合わせ」を理解していなかった。
確率について考える際には、「順列」か「組み合わせ」か慎重に見極めなければいけない。この場合、3つのサイコロを区別すべきで「順列」を考えないといけない。
例えば 大・中・小 のサイコロであれば区別していたはずだからである。
合計が9になる場合
このように考えると、
- 合計が9になるのは25通り
- 合計が10になるのは27通り
10の方が多く出やすい。
この問題を解決したのが、イタリアのガリレオ・ガリレイである。
本格的な確率論
ガリレオが先ほどの問題を解決した同時期に、
フランスの大数学者パスカルとフェルマーも確率について手紙のやり取りをしていました。
本格的な確率論は、2人が交わした手紙から始まったと言われています。
そして、2人のきっかけもギャンブルからでした。
問題 勝つ確率
ギャンブル好きの貴族2人が、コインの表と裏を当てるというギャンブルで
- Aがコインを投げ、Bが表か裏かをいい当てる
- Bが当てればBの勝ち、間違えればAの勝ち
- 先に3勝した方が勝ち
という取り決めをした。
今3回コインを投げ、Aが2勝 Bが1勝となっている。
この後、Aが勝つ確率は何パーセントか??
解説
4回目にAが勝つ確率
\(\frac{1}{2}\)
4回目にAが負けて、5回目に勝つ確率(乗法定理を使用)
\(\frac{1}{2}×\frac{1}{2}=\frac{1}{4}\)
Aが最終的に勝つには、4回目で勝つ確率と5回目で勝つ確率を足し合わせる(加法定理を使用)
\(\frac{1}{2}+\frac{1}{4}=\frac{3}{4}\)
よって75%である。
ギャンブル好きのメレという貴族が、パスカルに質問したことから確率論に発展していきました。(正確には、この状況の時にギャンブルをやめた場合に分配はどうすればいいのか??という質問)
この問題で、乗法定理と加法定理という非常に重要なことがわかっています。
ギャンブルから始まった確率という分野が、今では統計学という専門分野に使われテレビの視聴率・保険の掛け金の設定・天気予報・学力テストの偏差値 など
様々な研究に役立っているのは、「実に面白い!」