ここでは、消防用設備等の過去問を分析して、問題を作成しました。
集中トレーニング、近代消防などの問題を全問解ければ、合格は問題ないです。
しかし、
- 問題量が多い
- 範囲が微妙・類似問題が多い
- たまに解説が不十分・答えが間違っている
などの理由からすべて解くのがしんどい人のために、この問題集を作成しました!!
1部・2部・3部に分けています。
1部は(消防同意・設備士・点検報告など共通と類似)
2部は(建築基準法関係)
3部は(SP設備、自火報、屋内栓など消防設備)です。
ここでは、1部共通と類似を記載しています!
消防用設備等の出題範囲
まずは、全体の出題範囲を示します。
- 消防同意及び消防用設備等並びに特殊消防用設備等関係法令の制度と概要
- 消防用設備等の技術上の基準関係
- 消防設備士及び消防設備点検資格者関係
- その他消防同意、消防設備等に関する専門的知識
これだけでは、範囲広すぎてどこを勉強すればいいかわからないです。
根拠条文を見てみると、
➀法第7条、・・・
・・・
⑪その他
長々と書いてあるので、正直すべて見ていくのが面倒ですが、この範囲から出題されています。
ここで傾向を記載しても、あまりよくわからないと思うので
まずは、問題を解いてみてください!!
3部の最後に問題の出題傾向を掲載しています。
模擬問題(厳選6問)
第1問 消防同意
まずは、消防同意の流れから。
- bousailab.com
次に、消防同意か通知のどちらになるのか。
- 千葉県
最後に、消防同意の対象と処理期間。
消防同意の対象と処理期間
1号特殊建築物(用途の床面積の合計
100㎡超)※今年から100⇒200へ変更。
次の検定には出ません。
2号木造建築物(3F以上、延べ面積500㎡超、など)
3号木造以外(2F以上、延べ面積200㎡超)・・・・7日
4号は上記以外の建築物、建築設備(エレベーター等)・・3日
問題 消防同意についての記述で○か×で答えよ。
①消防同意には同意期間として3日間と7日間があり、特殊建築物の場合には床面積200㎡を超えるものが7日間となる。
×です。今年から100㎡超⇒200㎡超に変更になりましたが、検定ではまだ100㎡の時の法令なので、100㎡です!!
※この問題は、ミスでした。。今年の6月から施行されているので、次の検定には出題されないので気を付けてください。
②消防同意が必要となるのは、防火対象物であり工作物も含まれる。
×です。同意対象は、建築物であり工作物は含まれません。
③防火地域・準防火地域以外で、一戸建ての住宅であり、住宅の用途以外が延べ面積の1/2以上又は50㎡超えない場合、消防同意は必要なく、消防長または消防署長に通知することでよい。
○です。上記千葉県の図を参照。
④消防同意の期間は、建築基準法第6条第1項第4号又は同第87条の2に係る確認の場合にあっては、同意を求められた日から3日以内、その他の確認等にあっては7日以内である。
○です。消防法第7条参照。
消防同意は、
- 共通にも出題されやすい!
- 設備編でもほぼ出題されている!!
ので、法令の逐条解説まで読み込み、様々な問題を解いていたほうがいいです。
第2問 消防設備士
消防法第17条の5~第17条の14ぐらいまで。
消防設備士の免状の種類、工事整備対象設備等。
- shin-technical.co.jp
消防設備士講習。
- 伊万里・有田消防本部
問題 消防設備士の責務について○か×で答えよ。
①消防設備士は業務に従事するときは免状を携帯しなければならない。
○です。消防法第17条の13。
②甲種消防設備士は、政令で定める消防用設備等の工事を着工した後、10日以内に消防長又は消防署長に届出をしなければならない。
×です。工事に着手する日の10日前です。消防法第17条の14。
③消防設備士は、都道府県知事が行う工事整備対象設備等の工事又は整備に関する講習を免状の交付を受けた日以後における最初の4月1日から5年以内に消防設備士講習を受けなければならない。
×です。上記の図参照。免状の交付の後は2年以内。その後は5年以内です。
④消防設備士が違反措置点数20点以上に達した場合、消防長又は消防署長は免状返納命令をすることができる。
×です。都道府県知事が免状を交付しているので、返納命令できるのは都道府県知事である。消防法第17条の7。
⑤自動火災報知設備・スプリンクラー設備・救助袋・消防機関へ通報する火災報知設備は、甲種消防設備士が行う着工届出の必要な設備である。
○です。消防法施行令第36条の2参照。
⑥甲種第3類消防設備士の免状を取得しているものは、不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備・パッケージ型自動消火設備を工事・整備することができる。
○です。上記図参照。
消防設備士関係もほぼ出題されています。2問出題されるときもあります。
第3問 消防設備点検資格者、消防設備点検報告、消防検査
-寿防災工業
消防検査(法第17条の3の2、令第35条)
①面積に関係なく必要
- 2ニ・5イ・6イ(1)~(3)・6ロ
- 6ハ(利用者を入居させ、又は宿泊させるものに限る)
- 上記の用途が存する16イ、16の2、16の3
- 特定一階段
②延べ面積300㎡以上で必要
・上記以外の特定防火対象物
③延べ面積300㎡以上消防長、消防署長が指定したもので必要
・その他の防火対象物(非特定)
問題 消防設備点検資格者、点検報告、消防検査について○か×で答えよ。
①何人も登録講習機関が行う講習を修了した者は、消防設備点検資格者になることができる。
×です。何人ではなく、消防施行規則第31条の6で、消防設備士や電気工事士などいずれかに該当するものを示しています。
②特定防火対象物は、消防設備士等の資格を有するものに消防用設備等の点検をさせ、1年に1回消防長又は消防署長に報告しなければならない。
×です。消防法施行令第36条。特定防火対象物で延べ面積が1,000㎡以上が対象。
③特定防火対象物以外の防火対象物で、延べ面積1,000㎡以上のもののうち消防長又は消防署長が指定するものについては、総務省令で定める資格を有するものに点検させ3年に1回消防長又は消防署長に報告しなければならない。
○です。消防法施行規則第31条の6。
④点検は、消防用設備等又は特殊消防用設備等が技術上の基準又は設備等設置維持計画に適合しているか確認することで機器点検と総合点検があり、特殊消防用設備等については設備等設置維持計画に定められた期間ごとに消防長又は消防署長に報告しなければならない。
○です。消防法施行規則第31条の6。
⑤登録講習機関が行う第1種の講習課程を修了し、免状の交付を受けたものは、スプリンクラー設備・パッケージ型消火設備・連結送水管・防火水槽を点検することができる。
○です。上記図参照。
⑥登録講習機関が行う第2種の講習課程を修了し、免状の交付を受けたものは、救助袋・漏電火災警報器・非常コンセント設備・誘導灯を点検することができる。
○です。上記図参照。
⑦延べ面積が250㎡の4項コンビニに非常警報設備を設置した場合は、必ず消防検査を受けなければならない。
×です。4項は300㎡以上から必要なので、義務ではない。(令第35条参照)
点検報告・消防検査も共通にも出やすく、設備編にも出やすいです!!
また、点検資格者の内容も問われるような問題も出題されています。
第4問 消防用設備等
消防法施行令第7条、令第29条の4、特殊消防用設備等について。
消防法令で定める消防用設備等の種類について○か×で答えよ。
①消防の用に供する設備とは、消火設備・警報設備・避難設備をいう。
○です。施行令第7条。
②消火活動上必要な施設とは、排煙設備・連結散水設備・連結送水管、非常コンセント設備、無線通信補助設備をいう。
○です。施行令第7条。
③避難設備とは、火災が発生した場合において避難するために用いる機械器具又は設備をいい、救助袋・緩降機・誘導灯・誘導標識・放送設備は、この避難設備に該当する。
×です。放送設備は警報設備に該当。施行令第7条。
④特殊消防用設備等には、避難安全支援性能を有する共同住宅用自動火災報知設備・住戸用自動火災報知設備等がある。
×です。共同住宅用自火報・住戸用自火報はルートB、令第29条の4必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に該当します。特殊消防用設備等は総務大臣の認定を受けた設備でルートCです。
⑤特殊消防用設備等は、総務大臣が通常の消防用設備等と同等以上の性能を有するものであることを認定したものである。
○です。消防法第17条の2~17条の2の3。
⑥消防法第17条第2項について市町村は、その地方の気候又は風土の特殊性により、国の法令のみによっては防火の目的を充分に達しがたいと認められるとき、条例で技術上の基準とは異なる基準を設けることができる。
○です。消防第17条第2項。市町村の附加条例。
⑦消防長又は消防署長が、防火対象物の位置・構造又は設備の状況から判断して、消防用設備等の設置及び維持の技術上の基準によらなくとも、火災の発生又は延焼のおそれが著しく少なく、かつ火災等の災害による被害を最少限度に止めることができると認めるときは、消防用設備等の設置及び維持の技術上の基準によらないことができる。
○です。施行令第32条。消防長特例、32条特例。
通常用いられる消防用設備等の内容は、共通編にも出やすいです!また、令第29条の4が絡んでくる問題は多いです。ルートBの設備や内容をしっかりと把握しておくと、簡単に絞り込むことができると思います。
第5問 検定機械対象器具・型式承認、自主表示対象
①検定機械対象器具の検定制度
消防用設備等の検定制度とは??
型式承認と型式適合検定の2 段階からなっています。
※昔は個別検定となっているが、現在は型式適合検定になってます。
検定対象機械器具等(令37条)
①消火器(二酸化炭素、水溶性液体用泡消火剤除く)
②自動火災報知設備(感知器・発信機・中継器・受信機)
③ガス漏れ火災警報設備(中継器・受信機)
④住宅用防災警報器
⑤スプリンクラー・水噴霧消火・泡消火設備(流水検知装置・一斉開放弁)/閉鎖型スプリンクラーヘッド
⑤金属製避難はしご
⑥緩降機
②自主表示対象機械器具等の表示
自主表示対象機械器具等の法令
消防法第21条の16の3・・・製造又は輸入業者は…表示を付することができる。 21条の16の4・・・総務大臣への届け出の義務がある。
自主表示対象機械器具等(令第41条)
①動力消防ポンプ
②消防用ホース
③消防用吸管
④結合金具
⑤エアゾール式簡易消火具
⑥漏電火災警報器
問題 検定対象機械器具等についての記述で○か×で答えよ。
①検定対象機械器具で型式適合検定に合格したものについては、法令で定める表示が付されているが、この表示が付されているものでなければ販売し、又は販売の目的で陳列してはならないこととされている。
○です。消防法第21条の2。
②検定対象機械器具に該当しているものは、消火器・住宅用防災警報器・金属製避難はしご・救助袋などがある。
×です。救助袋は該当していない。施行令第37条。
③自主表示対象機械器具に該当しているものは、動力消防ポンプ・漏電火災警報器・消防用ホースなどがある。
○です。施行令第41条。
④型式承認を受けようとするものは、予め、日本消防検定協会又は法人であって総務大臣の登録を受けたものが行う検定対象機械器具等についての試験を受けなければならない。
○です。消防法第21条の3。
ほぼ1問出題されています。
検定対象品目と自主表示対象器具の違い・型式承認から型式適合検定の流れ
を簡単に覚えておくといいと思います。そこまで深い問題は出題されていないです。
第6問 適用除外、遡及適用、令8区画・令9条
消防法第17条の2の5、施行令第34条、令8条・9条について。
遡及適用(必ず最新の法令に適用)となる場合、簡単に。
- 特定防火対象物
- 大規模の修繕・模様替え
- 基準時の1/2以上増改築、1000㎡以上の増改築
令第34条設備(上記以外で最新の法令に適用させる設備)、簡単に。
- 消火器・避難器具
- 簡易消火用具
- 17項の自火報
- 温泉採取設備があるガス漏れ火災警報設備
- 漏電火災警報器・非常警報設備
- 誘導灯
令8区画(別棟と考えて消防設備を規制していい区画)。
令第9条。
- tips 消防法攻略への道
令9条で用途ごとの消防設備規制となりますが、
スプリンクラー・警報設備・避難設備は適用されず、棟全体で規制となっています。
問題 次の記述について○か×で答えよ。
①施行令第34条に規定する適用が除外されない消防用設備等の種類は、消火器・避難器具・消防機関へ通報する火災報知設備・誘導灯などがある。
×です。消防機関へ通報する火災報知設備は規定されていません。施行令第34条。
②既存の百貨店、旅館、病院などの特定防火対象物は、新しい基準に適用させなければならない。
〇です。特定防火対象物は、常に現行法令にしなければなりません。法第17条の2の5。
③令第8条とは、耐火構造の壁により区画された部分ごとに別の防火対象物とみなし、消防用設備等を設置するものであるが、当該壁に開口部を設けてもよい。
×です。令8区画は開口部を設けてはなりません。また配管を貫通する場合でも原則認められておらず、条件を満たすことで配管貫通が認められています。
④令第9条の規定の適用を受けない消防用設備等は、スプリンクラー設備・屋内消火栓設備・自動火災報知設備・誘導灯などがある。
×です。屋内消火栓設備は該当しません。スプリンクラー設備・警報設備・避難設備が適用を受けない設備です。
まとめ
- 消防同意
- 消防設備士
- 点検報告・点検資格者、検査
- 検定・型式承認
- 遡及適用・令8・9条
- 消防用設備等
共通編と類似している内容が多かったと思います。
この辺りの問題は難しくしにくいので、まず覚えておきたいところです!共通の対策にもなりますし。
2部は建築基準法関係です。
3部は消防設備関係です。