
定番のコイン投げのパズルです。
簡単な問題に見えますが、完全解答は高校生以上でなければ厳しいです。
問題
コイン投げをして、表か裏かで争えばそれぞれの勝率は\(\frac{1}{2}\)となります。
ここで、いかさまギャンブラーからある提案をされました。
提案
裏が出た時には勝負なし。表が出た時に勝敗を決める。
- 奇数回に出た時は俺の勝ち(ギャンブラー)
- 偶数回に出た時はお前の勝ち(あなた)

ギャンブラー
これなら不公平ではないだろう!?
一見五分五分の勝負に見えるが、本当に公平な勝負だろうか??
ヒント
1回目に決まる確率。2回目に決まる確率。。を考えてみる。
解答
公平な勝負ではない。あなたの確率は\(\frac{1}{3}\)となり、不公平である。
解説
中学生向けの解説と高校生向けの解説をしています。
中学生向けの解説

ギャンブラー側で考えてみる。
1回目で表が出る確率
\(\frac{1}{2}\)
3回目で表が出る確率
\(\frac{1}{2}×\frac{1}{2}×\frac{1}{2}=\frac{1}{8}\)
ギャンブラー側の勝率が\(\frac{1}{2}より大きい\)ので公平ではない。
次に高校生向けの解説です。無限等比級数の知識が必要です。
まずは、無限等比級数の定義から。
無限等比級数の収束・発散
aは初項,rは公比とする。
\(\sum_{n=1}^{\infty}a_{n}=a+ar+ar^2+ar^3+・・\)
①a≠0のとき、|r|<1ならば収束
その和は
\(\sum_{n=1}^{\infty}a_{n}=\Large{\frac{a}{1-r}}\)
|r|≧1ならば発散
②a=0のとき、収束しその和は0。
高校生向けの解説

ギャンブラー側から考えてみる。奇数回のとき表なら勝つので、
- 1回目の勝率\(\frac{1}{2}\)
- 3回目の勝率\(\frac{1}{8}\)
- 5回目の勝率\(\frac{1}{32}\)
\(\frac{1}{2}+\frac{1}{8}+\frac{1}{32}+・・・\)
という式になる。
初項aは\(\frac{1}{2}\),公比rは\((\frac{1}{2})^2=\frac{1}{4}\)
a≠0で|r|<1なので収束する
\(\sum_{n=1}^{\infty}(\frac{1}{2})^{2n-1}=\frac{a}{1-r}=\frac{\frac{1}{2}}{1-\frac{1}{4}}\)
\(\frac{\frac{2}{4}}{\frac{3}{4}}=\frac{2}{3}\)
よって、ギャンブラーの勝率は\(\frac{2}{3}\)となる。
したがって、あなたの勝率は1/3となる。
ギャンブラーの勝率2/3、あなたの勝率1/3で公平な勝負ではない。